伊藤鉄工の特徴
私たち伊藤鉄工株式会社は、創業より鋳物を通じて地域社会に貢献し、また素材や技術の可能性に挑み続けてまいりました。
歴史
昭和6年(1931年)、当社はストーブの製造販売を事業の柱の一つとして創業いたしました。
この製品は「愃王ストーブ」のブランドとして発表され、国内での販売のみならず朝鮮半島や満州(現在の中国東北部)まで輸出展開をすることとなり、国内有数のストーブメーカーに成長しました。以後30年余りは各種ストーブを主力製品として発展していきました。 当社創業のもう一つの柱として、寺院の建立がありました。妙仙寺(川口市川口)の建立に関わるべく、信者檀家や近隣住民と意見を交わし計画を立て、昭和12年(1937年)に着工、翌昭和13年(1938年)に竣工されました。単なる製品の提供ではなく、地域社会に如何に貢献するべきかを考える。これこそ、わが社のスローガンである「徳を以って業を成す」の精神の根源です。
昭和24年(1949年)、排水用鋳鉄管の製造販売を本格的に開始しました。
戦後復興の機運の高まりと共に販売が加速し、昭和29年に「排水用鋳鉄管直管」が建設省(現国土交通省)の指定品となったことで、その量は飛躍的に増加しました。
昭和30年以降の日本住宅公団の団地建設に伴い、器材の需要は増加しました。当社は鋳鉄管販売の成功を背景に、公団仕様の建築用機材・設備用機器を多数開発し、公団仕様の全鋳鉄器材を製造しました。その技術は今日の製品の基礎となっており、更なる歳月を掛けて製品の開発・改良を進め、昭和52年(1977年)には建設省の指定品となりました。需要の拡大と一層の品質向上を目指し、昭和58年(1983年)にはSMS・DISA等の鋳造設備の新設・増強を図り、増産体制を確立させました。製品の品質のみならず、その物量においても社会のニーズに応えるべく発展してまいりました。
鋳物の新たなニーズを見出すべく多様な製品展開と技術開発に挑戦してまいりました。
昭和60年以降は、皇居照明灯、改装前の東京駅ステーションギャラリーゲートをはじめとした多くの景観材製品の製作を手掛けるようになり、鋳物特有の風合いや加工のしやすさを生かした製品づくりを始めました。
平成4年(1992年)に、高い防食性を追求した「ラスガードキャスト」を開発・実用化しました。これにより景観材製品の付加価値は高まり、その他多くの景観材製品の受注へとつながりました。平成15年(2003年)には「IML継手」を開発し、従来のMD継手に比べて引抜阻止力、防食性などに優れた製品として各方面から高い評価を頂き、販売において主力製品の一つとなりました。また同年に「NEZTEC」を発表。従来の鋳物に比して低い熱膨張率でありながら、鋳物特有の高い切削性と制振性を持つ画期的な素材として注目を集めています。
更に平成18年(2006年)には超薄肉鋳鉄を開発。従来の常識を覆す厚さ2mm未満のダクタイル鋳造を可能にしました。この技術は鍋やフライパンの製造に応用され、潜在的なニーズを引き出し新たな顧客の創出へと発展しています。
平成18年(2006年)には超薄肉鋳鉄を開発。
従来の常識を覆す厚さ2mm未満のダクタイル鋳造を可能にしました。この技術は鍋やフライパンの製造に応用されています。
また、新たなガラスライニング技術により、高耐久継手「KブラックJ」を開発。潜在的なニーズを引き出し新たな顧客の創出へと発展しています。
今日私たちが扱っている製品や技術は、創業者の魂そのものとも言えます。私たち伊藤鉄工は、これからも鋳物を通じて社会に貢献し、またそれを成すべく技術に磨きをかけていきます。
芸術性
伊藤鉄工(株)の「芸術性」について
鋳造技術は、造形の容易さや切削性を理由に古くから量産製品に取り入れられた技術ですが、伊藤鉄工では、それとは別の視点からの鋳物らしさ、鋳物ならではの魅力にも拘っています。それが最も表れているものが、多くのデザイナーやデベロッパーと共同で製作をしている景観材製品です。
景観材製品は、その用途もさることながら、デザインやコンセプトを形にするという点が極めて重要です。私たちはデザインの狙いを深く汲み取った上で、そこに鋳物の特性を溶け込ませることが使命であると考えています。当社ならではの技術を駆使して、鋳物に対するイメージや風合いを時に誇張し、時に裏切ることで、原案以上の印象を得られるような作品づくりを目指しています。
技術的な制約などで実現不可能と思われたことも、試行錯誤を繰り返して当初のイメージに忠実な製品を作り出す。この試行錯誤は、私たち自身も気づかない鋳物の魅力と可能性を発見するための機会ともなっており、そうして得た経験と技術は、新たな製品、次なる作品に生かされています。
私たちはこれからも、この精神を大切にして研鑽を積んでいきます。
キッチン商品
さらなる軽量化を目指して
伊藤鉄工では、以前より省資源、省エネルギーの観点からも部品の軽量化を志向してきました。
2002年、屋上緑化のニーズが高まり建物への負荷を軽減するため、屋上に設置される機材の軽量化が要望されるようになりました。それに伴い、当社で製造・販売する「防水継手」の軽量化に着手しました。
また、軽量化は設備施工業者の労力低減としてのニーズも高まり、天井裏や、床下などに無理な姿勢で設置することの多い「排水継手」についても2005年に軽量型の開発に着手しました。
軽量化(薄肉化)による強度低下を抑えるため、材質には強靭なダクタイル鋳鉄(球状黒鉛鋳鉄)を採用。部品機能を損ねずに製品の肉厚を低減し軽量化を実現しています。
これらの開発経験をもとに、更なる軽量化を目指し2005年より薄肉ダクタイル鋳鉄製キッチン用品の開発を開始しました。
従来の鋳鉄製品に比べ、約40%の軽量化を実現(HOTPAN23、伊藤鉄工調べ)。使いやすさは毎日の「おいしい」をお手伝いします。
2010年、公益社団法人日本鋳造工学会主催 全国講演大会で『薄肉軽量球状黒鉛鋳鉄製厨房器具の開発』を発表。薄肉鋳造における高い技術力が評価され、この年の技術賞を受賞しました。
同年、グッドデザイン賞を受賞。技術力だけでなく、デザイン面でも大会評価を得ています。
歴史と伝統を誇る鋳物への更なるこだわりと、洗練されたデザインが融合した商品です。
IGSの未来
鋳物は古来より私たちの生活のそばにありました。
時代が変わり、ニーズが変わり、様々なものが樹脂やその他の素材に変化していきました。
そんな中でも“ものづくりするならIGSに相談してみよう”
そんな風に皆様に思われる企業をこれからも目指してまいります。